人間ドックを受けるにあたって、事前の問診票に記入していたときのことです。
項目を見ていくうちに、私は少しテンションが上がっていました。
特定保健指導の面談前に必ず目を通している、あの標準的な質問票と同じ項目ばかりだったからです。

この質問たち、いつも見ているやつだ…!
今回は、いつも見る側の問診票を自分が答える側になって気づいたことを書いてみます。
特定保健指導の指導員をしている方がこのページを見てくださっていたら、「自分が答える側だったら」と想像しながらお読みいただけると嬉しいです。
「生活習慣を改善してみようと思いますか」に、いざ自分が答えると
そのときの私は、順調に問診票に回答を続けていました。
すると、おなじみのこの質問も現れます。
「運動や食生活等の生活習慣を改善してみようと思いますか。」

…ん?
この項目は選択式で、以下の中から選ぶようになっています。
① 改善するつもりはない
② 改善するつもりである(概ね6か月以内)
③ 近いうちに(概ね1か月以内)改善するつもりであり、少しずつ始めている
④ 既に改善に取り組んでいる(6か月未満)
⑤ 既に改善に取り組んでいる(6か月以上)
これまで対象者の方の回答で『①改善するつもりはない』が選択されていると、「面談もあまり乗り気ではないのかも…」と思うことがありました。
「私は生活を変えるつもりないんで」という強い意志があるように感じられたからです。
ところが、いざ自分がこの質問に答える番になると、手が止まりました。

あれ、意外と難しい…
なぜなら、この問診は検査前に記入しているからです。
もし私が健診結果で何か指摘された後にこの質問をされたら、おそらく「改善、頑張ります」と前向きな回答をしていたと思います。
でも私が答えたのは、まだ検査を何も受けていない段階。
「いや、今の生活習慣で特に困っていることはないしな…」というのが正直な気持ちでした。
同じ回答でも、答えたタイミングで意味が変わる
ここで気づいたのは、問診票の回答と結果を見るタイミングの関係です。
特定保健指導の指導員側には、問診票の回答と検診結果がまとめて共有されます。
そのため、無意識のうちに「この人は自分の数値を見た上で、こう答えたんだろう」という先入観があったのかもしれません。
でも実際には、多くの健診・人間ドックの問診票は検査前に記入するのが一般的で、まだ何もわかっていない状態で答えていることの方が多いはず。
そう考えると、これまで「はっきり書いていて、面談もあまり乗り気ではなさそう」と感じていた回答も、実は検査前に「今のところ特に困っていないし、これかな」くらいの気持ちで選ばれた可能性も高いのかもしれません。

逆に「特保経験あり」かつ「改善するつもりはない」の人は、かなり強い意志を感じます…笑
ちなみに私は運動不足の自覚があるので、『③近いうちに(概ね1か月以内)改善するつもりであり、少しずつ始めている』にしてみました。
来年度は『⑤ 既に改善に取り組んでいる(6か月以上) 』になっているはず…。
答える側の視点で見ると、気づくことも多いのかも
この気づきは、ただ問診票に答えただけでは得られなかったかもしれません。
記入しながら「いつも見ている項目だ」と気づいた時点で、自然と「対象者の方はこれをどんな気持ちで書いているんだろう」という視点で見ていました。
だからこそ、この「運動や食生活等の生活習慣を改善してみようと思いますか。」に対して「あれ、難しいな」と手を止めて考えられた気がします。
また、「改善するつもりはない」という一文だけを見て「乗り気ではない」と決めつける必要が無くなったのも、大きな変化でした。
「改善するつもりはない」人と話してみたら
問診票は「改善するつもりはない」だった方の面談をしたときのことです。
その方はこう仰ってくださいました。

これまで食事は気にせずに自由に食べてきた
そしたら結果が良くなくて、ついに特定保健指導にも引っかかってしまった
でもいい機会だと思って、今日から本気で頑張ろうと思う
まさに検診前後の気持ちの変化が分かる体験でした。
問診票の同じ選択肢でも、検査前に書かれたものか、結果を見た後に書かれたものかで、そこに込められた温度感はまったく違います。
見る側に慣れていると、つい「対象者の気持ちはこうだろう」と決めつけてしまいがちです。
しかしそうではなく、この項目を参考にしつつも、面談時はお相手の今の気持ちを聞くところから大切にしていきたいと、改めて感じました。
同じ特定保健指導に関わる方は、次にご自身が健診や人間ドックの問診票に記入する機会があったら、ぜひ一度答える側として項目を眺めてみてください。
きっと、いつもの質問票が少し違って見えるはずです。



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