特定保健指導の面談をしていると、食事記録アプリを使用している方に出会うことがあります。
写真を撮るだけで栄養価計算をしてくれたり、AIがアドバイスをくれたりと、本当に便利な時代だなと思います。

もしかして管理栄養士はいらなくなるのでは…?と不安に思ったこともあります笑
でも面談を重ねるうちに、「あれ、これでいいのかな…?」と感じる場面もありました。
今日はその違和感について一管理栄養士として感じていることを、正直に書いてみようと思います。

あくまで私個人の意見ですので、参考程度に…!
食事記録アプリは便利な点も多い
まず最初にお伝えしたい点として、アプリを否定したい気持ちは全くありません。
私自身もアプリを使ってみて、実際に「便利だな」と感じる点も多いです。
特に最後の点は、アプリならではの利点だと思います。
パッケージに書かれた栄養成分表示をそのまま反映できるので、「だいたいこのくらいかな」という目分量の推測より、はるかに信頼できる数値になります。
アプリだけを信じてもいいのかな?という疑問も
一方、面談のなかで「アプリ上では、ちょうどいい数値になっています」「むしろ足りていないと出ています」と言われることが、実はよくあります。

「アプリのアドバイスとあなたのアドバイスが全然違う」と言われることも…
こちらの見立てとずれていて、最初は「何か見落としている…?」と戸惑いました。
しかし冷静に考えてみると、対象者の方が何か間違っているわけではなく、アプリの仕組み自体にいくつか理由があるようです。
つまりアプリで表示されるのは多くの人に当てはまる一般的な数値であって、目の前のその人だけのために出された数値ではないということです。
ここが、面談のなかで一番説明が難しいところかもしれません。
AIアドバイスについて感じること
食事内容に対して「もっと摂りましょう」「これは控えめに」とアドバイスしてくれるAI機能も増えてきました。
恐らくこの仕組みは、基本的には「基準値」と「記録された摂取量」を比べて、多い・少ないを判定しているものだと思います。
でもその「基準値」は、必ずしも「その人が痩せるために必要な量」ではないはず。
しかし表示は「もっと摂っていいですよ」というトーンで出てくるので、対象者の方からすると「AIのお墨付き」のように感じられてしまうのかもしれません。
管理栄養士として、アプリとの付き合い方
正直に言うと、面談中に対象者さんが使用しているアプリの画面を一緒に見ながら細かく確認する、という方法は現実的に難しいなと感じています。
そのため、私なりの工夫としてアプリの数値そのものを修正しようとするのではなく、そこからどのくらい減らしたいかという視点で話すようにしています。
具体的には、まず記録を続けていることは本当に素晴らしいので、そこをしっかりお伝えします。
そのうえで、アプリの基準値に合わせるのではなく、対象者さん自身の状態を主語にしてお伝えするようにしています。
例えばこんな感じです。

アプリの数値は一般的な方向けのものなので、〇〇さんの場合はそこにプラスして考えたいことがあります
たとえば内臓脂肪が多めだと代謝が落ちやすいので、アプリの基準と同じ量を摂っていても、体重が思うように減らないことがあります
なので今の記録からさらに〇kcalくらい減らした量が『ちょうどいい量』というイメージで進めてみましょう
身体活動レベルの設定についても、ついでに聞いてみることもあります。

ちなみに身体活動レベルの設定はどうなっていますか?
多くの方は『低い』または『普通』に該当します
『高い』は活発な運動習慣がある方などを想定しているので、もし当てはまらなければ見直してみると数値が変わってくるかもしれません
これくらいの温度感だと、対象者の方にとっても「今までの記録の仕方を変えなきゃ」という負担がなく、続けやすいのかなと感じています。
得意なことで補い合いながら、ベストな選択をしよう
アプリはとても便利です。
これまで人力でやってきた摂取量の把握や栄養価計算を、一瞬でおこなってくれます。
一方で、最初に感じていた「管理栄養士が必要なくなるかも」という不安は、現段階では無くなったともいえます。

あなた個人にとってのベストを出す力は、管理栄養士の方が得意なのかな?と思っています
「アプリはだめ」「アプリだけでいい」ではなく、それぞれの得意なことで補い合いながら、対象者さんにとってベストな選択をしていけたら嬉しいです。
ここまで管理栄養士目線で書いてきましたが、もしこの記事を、アプリを使いながら食事管理をしているあなたが読んでいたら…。
最後に少しだけお伝えしたいことがあります。
アプリが出してくれる数値は、悪意があるわけでも、間違っているわけでもありません。
記録を続けていること自体、本当にすごいことだと思います。
そのうえで、もし「数値通りにしているのに変わらないな」と感じることがあれば、それは頑張りが足りないからではなく、その数値がもともとあなた仕様ではないからかもしれません。
そんなときは、一度、専門家の目で見てもらうのも一つの選択肢かなと思います。



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